オーサーシップ • 謝辞 • 利益相反

オーサーシップ

研究成果をジャーナルに投稿する前に、誰が著者か明確にする必要があります。ジャーナル編集者は、著者が誰であるか、そしてその著者がその研究発表における、「著者」の資格があるかを知る必要があるからです。

誰が著者となりえるか?

実質的にその研究に貢献した人のみが著者と呼ばれます。著者の定義の内、いくつかをご紹介します。

  • 著者は、その研究と執筆の重要なパートにおいて責任のある立場で関わっており、 研究成果に対する責任を負う者である。
  • 著者のインプットには、計画、研究、データ解析、データの解釈、研究結果の最終まとめに関する準備、全体の研究結果に至るまでの、その他の積極的な貢献などが含まれます。 
  • 著者は、最終的な研究結果を得るに当たり、重要な役割を果たしていたか。

International Committee of Medical Journal Editorsには、著者は次の4つの判定基準を満たさなければならないとされています。

  • 研究構想か研究デザインに実質的に貢献するか、研究データの獲得や分析、解釈をし、さらに
  • 研究(論文)の草稿や重要な知的コンテンツを批判的に修正をすること、加えて
  • 出版に向けて最終稿の承認をすること、 そして
  • 研究内容の正確さや誠実さに関する問いに対して、適切に調査し解決されることを保証することにおいて、研究のあらゆる側面に関する説明責任を負う

ジャーナル編集者は、それぞれの著者がどう研究に貢献したかを知りたいと思うかもしれません。それに答える準備をしておきましょう。 

研究に貢献していない人を「著者」としてはいけません。同僚や恩人に対して、ギフトとして、オーサーシップを与えることがあるかもしれませんが、科学出版において容認されることではありません。これはギフト・オーサーシップと言って、非倫理的行為です。もし誰かに感謝を述べたければ、謝辞のセクションでそれらの人に感謝を述べましょう。もし資料の寄稿などに貢献した関係者が、著者として名を連ねたいのであれば、その人にデータ分析や論文の執筆を依頼すべきです。そうすることで、その人も実質的な研究に関わる事となり、従って著者としての資格を得ることとなります。 

論文の投稿前に、全ての著者がオーサーシップと論文における著者順を理解し、全ての著者が最終原稿を確認し、承認し、目標ジャーナルに向けて投稿することに同意していることを確認する必要があります。ジャーナル編集者は、投稿前にこれらのステップが明らかにされていることを求めています。

謝辞について

感謝を述べるべき人だが、その人の役割が「著者」に満たない場合、資金提供機関や助成金の数字と共に謝辞のセクションに記載すべきです。 

謝辞のセクションに載せるのは、次のような人が対象です。

  • 研究の一般的支援 (技術面や統計面などの支援を含む)や、指導者
  • 資料提供者
  • 執筆における支援者およびアドバイス提供者
  • イラスト支援者
  • 校正者、プルーフリーダー
  • 批判的意見を述べたり、全般的な修正を提案してくれた査読者

ファイナルワークにのみ何らかのヘルプを提供した人を、著者としてリストに載せることは出来ません。謝辞に記載する際は、それぞれの方が、どのようにファイナルワークへに貢献したかを明示すべきです。 

研究に大きく、重要に関わった人に関しては、必ず全員、著者としてリストに加えましょう。潜在的な利益相反を回避するために、著者を謝辞のセクションに移動させることは「ゴースト・オーサーシップ」と呼ばれ、非常に非倫理的な行為です。いかなる潜在的な利益相反についても、常に誠実でなければなりません。そして、著者としての基準を満たしている、いかなる個人も、その論文の内容に対して説明責任を負うべきです。

論文の投稿前に、謝辞のセクションに名前を記載するすべての人から、書面で許可を得なければなりません。

利益相反について

研究のデータや、研究についての解釈を偏らせる可能性があるもの全てについては、論文投稿時に全て開示されなければなりません。それゆえ、殆どのジャーナルでは論文内または投稿時のカバーレターに利益相反の陳述を求めています。 

次の場合は、述べましょう。

  • 研究において、財政面や個人的つながりがあった企業
  • ライバル関係にある企業や機関と、財政面や個人的につながりがあった場合

もし企業の財源で研究を行った場合は、その企業があなたの研究データの分析、および解説において果たした役割について、説明の必要が発生する事があります。もし研究開始時に、共著者において利益相反が生じている場合は、研究デザインをする時に、このことを念頭にいれておくとよいでしょう。そうすることで、たとえば、データ分析をする際などに、その利益相反を生じている共著者を外したりすることによって、起こりうるバイアスを回避する手段をとることができます。

ジャーナルの中には、論文と一緒に「利益相反宣言フォーム」の記入と提出を求めるところもあります。オーサー・ガイドラインを注意深く読み、このような要求の有無を確認をしてください。

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