グラフィカル・アブストラクトを作成する

graphical abstract – Edanz

グラフィカル・アブストラクトまたは、ビジュアル・アブストラクトをご存じでしょうか。グラフィカル・アブストラクトとは、論文の主な発見を、一枚の図に要約したものを指します。

これまで、研究成果の主な発表の場として、何十年にも渡り紙媒体で出版されてきたジャーナルが、近年、オンライン出版に力を入れるようになり、その結果、グラフィカル・アブストラクトもさらに頻繁に使用されるようになってきました。これらのインフォグラフィックタイプの画像は、論文の要約としてだけではなく、宣伝としての役割も果たします。

グラフィカル・アブストラクトは通常のアブストラクトとは異なり、ルールが少ないのもその特徴の1つです。それらグラフィカル・アブストラクトの価値や何が期待できるかを知る事で、より優れたものを作成することが可能になるのです。 

グラフィカル・アブストラクトの利点 

グラフィカル・アブストラクトは、論文をより魅力的で分かりやすいものにします。また、グラフィカル・アブストラクトにより、簡潔なアブストラクト以上に、研究を迅速に伝える事も可能になります。さらに、平易な言葉で要約することで、読者にさらに理解されやすいものとなるのです。 

オンライン出版では、論文をより視覚的で、インタラクティブなものにすることが可能なため、編集者はそれらの機能を利用して、より多くの読者を惹きつけることが出来ます。また、TwitterFacebookなどのプラットフォームでは、投稿に簡単に添付できるため、他のユーザーのフィードにも表示され、シェアの増加に繋がります。これは論文を広く知ってもらうためのセルフプロモーションの必要性と共に、出版物が増加するため、ますます重要になってきます。

論文の各セクションに何が述べられているかを示した簡潔なサマリーで、論文について説明することに慣れた著者にとって、グラフィカル・アブストラクトは、常識的ではなく、不十分なものに思えるかもしれません。

ただし、グラフィカル・アブストラクトの背後にある考え方は、従来のアブストラクトと同じ情報を1つの画像と限られたテキストで伝えることにあります。 

グラフィカル・アブストラクトは、読者に論文を見つけてもらいやすくし、読者との関連性の有無を素早く理解するのにも役立ちます。さらに、英語を母国語としない著者が英語で論文を執筆したり、読解する際の負担の軽減も担っています。 

グラフィカル・アブストラクトや、ビジュアル・アブストラクト作成のコツ 

ここで、目標ジャーナルが、論文と一緒に、グラフィカル・アブストラクトの提出を条件にしている場合に役立つヒントをいくつかご紹介します。

  • 論文で何を説明しているか(メカニズム、理論、構成、もしくは原因と結果など)、そのコンセプトを表現するのに最適なビジュアルは何かを考えます。
  • 研究に必要な要素について考えます。ここでキーワードを考えておくと、読者の興味をひくためには、何を盛り込めばいいかの判断に役立ちます。
  • アブストラクトは、1つの画像か分割パネルにとどめます。
  • 論文中に使用した図の1つを、そのまま再利用するのはやめましょう。グラフィカル・アブストラクトは、論文で示されたアイデアをまとめ、それ自体が追加の画像であると考えましょう。
  • 詳細や余計な要素を入れ過ぎないようにします。また、矢印でプロセスを示すなど、明確なラベル付けをします。
  • 必要不可欠な場合を除き、参照した文献からではなく、自分の研究成果から得られた詳細のみを使用します。 

グラフィカル・アブストラクトの例

ここでは、見やすくてきれいなグラフィカル・アブストラクトの例をご紹介します。

Blatuidi, CC BY-SA 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0, via Wikimedia Commons

特別に目をひくような派手さがあるわけではありません。基本的には、漫画かインフォグラフィックですが、ほんの数行の言葉で、研究チームが何をし、何が起こったか、その研究で何をしたか、そしてそれが何を意味するのかを示しています。いたってシンプルでしょう?

こちらのグラフィカル・アブストラクトは多少クリエイティブで、特に精巧という訳ではありません。Elsevier は、新聞に掲載されているような、シンプルな3コマの(日本の新聞は、4コマ漫画ですが)ビジュアル・アブストラクトを提唱しています。それぞれのパネル(コマ)の内容は次の通りです。 

  • Panel 1: 背景を説明する
  • Panel 2: 方法論を示すか、または2番目のポイントを示す
  • Panel 3: 結果を示すか、または3番目のポイントを示す

1つ目の漫画スタイルの視覚表現は、一般的な手法の1つです。2つ目のアプローチとして、研究のプロセスとその影響(何が起こり、その次に何が起こるか、そして最後に何が起こるか)を示すフロー図があります。

さらに3つ目に、実施した実験に焦点を当てるのではなく、全体像をプロットする、ビジュアルシステムがあります。

グラフィカル・アブストラクトを作成するためのソフトウェアに関しては、別のブログ記事(英語版)にて、詳しいリストをご紹介していますので、参考にしてください。

(良い例の)グラフィカル・アブストラクトの見つけ方と自分のグラフィカル・アブストラクトを作成する方法 

Elsevierには、異なるタイプの論文に対応した、優れたグラフィカル・アブストラクトの例が挙げられています。また、Cell (PDF link)には、最初に提出されたアブストラクトが、視覚的なインパクトを向上させるため、どのように改善されたか紹介されています。 

もちろん、日々の業務に忙しく、この新しい形式のアブストラクト作成に割く時間が取れなかったり、従来のスタイルで、読者に伝える言語とサイエンスに集中したいと思う著者も多いかもしれません。

そんな時は、エダンズにお任せください! 

エダンズでは、論文のグラフィカル・アブストラクト作成サービスを行っております。本サービスでは、専門職であるプロのアーティストが、貴重な研究成果をビジュアル的かつ効果的なコミュニケーションの1つとして、ジャーナル編集者、査読者をはじめ、すべての読者に分かりやすく伝えるお手伝いをいたします。詳しくは、専用フォームよりお問い合わせいただくか、研究者向けサービス一覧をご覧ください。

グラフィカル・アブストラクトで、論文発表のインパクトを最大限に高めましょう!

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