研究の新規性

インパクトファクター

ジャーナルのインパクトファクターは、そのジャーナルの論文の平均引用頻度を示します。多くの資金提供機関と研究機関は、あなたの研究が発表されたジャーナルのインパクトファクターを見ます。それらの機関はインパクトファクターであなたの研究者としての成功を測るかもしれません。しかし、ジャーナルレベルの得点がいつも個々の論文の品質に反映している訳ではありません。 

ジャーナルのインパクトファクターは、ジャーナルに掲載された論文が、他の論文に引用された回数に基づいて計算されます。インパクトファクターが高いほど、評判と名声が高いことがよくあります。ただしインパクトファクターは、使い方に注意しなければなりません。例えば、通常、ジャーナルに掲載された論文の内、比較的少数の論文だけが多く引用されるからです。

さらに引用は、研究分野によって異なります。それ故インパクトファクターも、分野によって大きく異なるのです。例えば物理分野では高いインパクトファクターでも、臨床医学分野においては比較的低くなるでしょう。従って、異なる研究分野間で比較すべきではありません。 とは言うものの、目標とするジャーナルのインパクトファクターは、研究の新規性に関連して検討すべきです。インパクトファクターの高いジャーナル(例:NatureCellScienceなど)は、他のジャーナルよりも斬新な研究論文のみを採択する傾向にあります。

研究分野に対する貢献

あなたの研究の新規性と、研究分野で既に知られている研究の新規性は、どのように比較できるでしょうか。Edanz LEARNING LAB 「Before You Begin Your Research」(日本語版は、研究計画準備)コース では、科学文献を定期的に読むことの重要性を説明しています。定期的な読解は、あなたの研究の新規性の的確な評価に繋がります。自身の専門分野の国際学会へ出席することも、最新の情報を入手するために有効です。そのような国際学会では、出版前に最新の研究の進展について知ることができます。

インクリメタルアドバンス(incremental advance)は、研究分野ですでに知られた発見にわずかな発見を足すことです。もしあなたの研究成果がインクリメタルアドバンスの場合、インパクトファクターが低めから中程度のジャーナルを目標にするとよいかもしれません。例えばあなたが、現在ある遺伝的疾患について研究しているとしましょう。そして病気の進行を早める新たな突然変異を特定したとします。それは新たな発見ですが、既に知られている研究に基づいて構築されています。 このような場合、低から中程度のインパクトファクターのジャーナルを目指す方が良いでしょう。

一方、コンセプチュアルアドバンス(conceptual advance)は、専門分野において強いインパクトを持ちます。例えば医学では、このような進歩は病気の研究や治療方法を変えます。例えば、あなたが遺伝に基づいていると知られていない疾患について研究しているとしましょう。そして病気の原因に関与する、突然変異の特定をしたとします。その場合は、中から高インパクトファクターのジャーナルを狙えるかもしれません。

自分の研究の新規性を判断することは、著者自身の先入観によりしばしば困難です。同僚に率直な意見を求めて見ましょう。

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