Voices of Women in Science Around the World

国連とユネスコでは、毎年2月11日を「International Day of Women and Girls in Science(科学における女性と少女の国際デー)」とし、世界各地で様々なイベントや活動が行われます。この特別な日を記念して、エダンズでは、国内外でさまざまな科学分野で多大な貢献をされている、複数の女性にお話を伺いました。 性別、経歴、専攻を問わず、彼女たちの経験や挑戦、視点について、本ブログと動画でご紹介します。

Germaine Shalla (シンガポール)  

シンガポールの科学技術研究庁(A*STAR)で、アウトリーチ・コミュニケーション部門の副ディレクターを務めるGermaine ShallaA*STARは、科学界や産業界の人材やリーダーを育成する重要な役割を担うっています。

本ビデオでGemaineさんは、STEM分野における男女格差の是正、そして科学界やそれ以外にとってより多様で平等かつ包括的な未来を実現するために私たちが取るべき行動や採用すべき態度について語ってくれました。

Germaineは最後に、弱さへの恐れを克服し、本物の自分自身と声を見つけることの重要性を強調しています。  

More About Germaine:
元ジャーナリストで起業家。現在、A*STARのアウトリーチ&コミュニケーション部(イノベーション&エンタープライズグループ)で副部長を務める。10年に渡る研究機関でのキャリアの大半を、科学コミュニケーション、STEMアウトリーチ、一般市民参加に関する主要な提唱者として活躍。STEM分野における包括性と平等性の向上を目指すキャンペーンでは、一般市民と科学者のコミュニケーションを橋渡しし、科学がいかに変革の原動力となり得るかを形作ることを目標としている。 


Isa Mack (日本)

2023年からリサーチ・コンサルタントとして新しくエダンズの一員となったDr Isa Mackも、 女性研究者のひとりとして、これまでの経験を元に語ってくれました。

Isaは、これまで上司や友人から受けたサポートが、研究の旅路におけるどんな困難をも乗り越える助けとなったこと、そして、より包括的で持続可能な未来のために、教育や雇用機会の平等は譲れない条件であることを語っています。

More About Isa:
東京大学大学院総合生命科学研究科博士課程修了。 Dr Isa Mackは、ガスクロマトグラフィー質量分析、核磁気共鳴、および様々なプログラミングツールを用いた大規模データセットの処理に経験を持つ。東京大学の別の研究室でのポスドク研究では、植物の成長に影響を与える受容体に着目し、寄生植物の研究を開始。現在はエダンズで、これまでの専門知識を活かし、研究者の論文執筆や出版をサポート中。


Tracy Josephs (ニュージーランド)

Dr Tracy Josephsは、オーストラリア・メルボルンにあるモナシュ薬学研究所の国立保健医療研究評議会研究員で、効果的な治療薬の開発における課題を克服しながら、個別化医療の発展を目指す研究チームを率いている。

科学者として、また母親として多忙な日々を送るTracyが尊敬し、学ぶことのできる多様な人々を持つことの大切やさ、もっと科学界の女性が名乗りを上げて自分の話をすることの必要性、そしてワーキングマザーの控えめな優雅さと能力について、Julianと語り合いました。

More About Tracy:

ニュージーランドのオタゴ大学で博士号を取得。モナシュ薬学研究所の国立保健医療研究評議会研究員で、研究テーマは、個別化医療と、単一分子を標的とした効果的な治療法の設計における課題である。Tracyの研究グループは、生物物理学、構造生物学、薬理学の専門知識を応用して、治療標的の構造、ダイナミクス、細胞間相互作用に影響を与える薬理遺伝学的要因を解明しています。オーストラリア研究評議会ディスカバリープロジェクトである、ビクトリア科学・知識・イノベーション基金(VESKI)フェローシップ(2019年)と、センタラ新研究者賞(2021年)を受賞。 


Morita Ayako (日本)

東京医科歯科の森田彩子准教授は、個人のつながりや、社会的な経験やつながりに注目し、生涯を通じた健康や幸福への影響への理に取り組んでいる。

今回のインタビューでは、家庭との両立を図りながら、科学の世界でキャリアを積むために、どのように障害を克服してきたかを語っていただきました。また、同じキャリアを目指す他の女性たちとのネットワークの重要性についても言及しています。  

More About Dr Morita:

東京医科歯科大学准教授で専門は社会医学。Dr. Moritaは、個人がどのようにつながりを持っているか、また、社会的な経験やつながりが、生涯を通じてどのように健康や幸福に影響を与えるかを理解することを目指している。  


インタビューを終えて

今回の特別企画では、自身の科学者としての目標を達成するだけでなく、家族の介護責任や個人の幸福を巧みに両立させながら、科学界と社会の両方に大きく貢献してきた、複数の傑出した女性たちと、STEMコミュニティにおけるチャンスと課題について話すことができました。

科学技術における男女共同参画の重要性が理解され、取り組みが促進されていますが、残念なことに、未だ十分とは言えません。ユネスコによると、全研究者のうち女性はわずか28%に過ぎません。このような男女の多様性の欠如は、女性研究者の功績が認められることが少なく、科学分野全体において女性の活躍の場が少ないということにつながりかねません。また、新しいソリューションや技術を研究・創造する際に、すべての問題が考慮されているわけではないことも意味します。その場合、潜在的なバイアスに気づかない可能性も考えられます。  

 科学分野の女性や少女の活躍に支援が必要な理由のひとつに、女性や少女がSTEM分野に参加する上で、独特の障壁に直面していることが挙げられます。男性に比べて質の高い教育やリソースにアクセスしにくく、差別や性差別を受ける可能性があるということです。さらに、女性は、より包括的な環境を作り、現実世界の課題に対する革新的な解決策を開発するために、STEM 分野に貴重な視点をもたらしてくれるでしょう。 

毎年2月11日の「科学における女性と少女の国際デー」は、女性や少女の科学、技術、工学、数学(STEM)分野への参加と、平等なアクセスの重要性を広く呼びかけ、2030年までにSTEM分野における男女平等を達成し(男女平等に関する国連の持続可能な開発目標5に沿ったもの)、より多くの女性と少女がSTEMのキャリアを追求するよう奨励することを目的としています。

科学分野における男女平等を実現するためにできることはたくさんあり、例えば、次のような内容が考えられます。

  • ひとつは、科学教育における男女平等を推進する取り組みや、科学に情熱を持つ若い女性のために特別に作られたメンタープログラムの支持者になることです。
  • さらに、雇用主にはチームの多様性を高めるための努力が求められます。多様性のあるチームであれば、研究の過程でさまざまな視点を考慮した解決策を生み出すことができるからです。 
  • 最後に、「科学者はこうあるべき」という固定観念がまだ存在することを認識する必要があります。女性科学者や科学を志す女の子を言葉や行動で応援することで、その壁を取り払い、性別に関係なく、判断や差別を恐れることなく夢を追いかけることができるようになるのです。 

エダンズでは、科学分野の女性や少女を支援すべきこれらの理由を認識し、STEM分野で現在活躍中、もしくはこれから科学者としてのキャリアを目指す皆様のサポートをお約束します。

– Julian Tang, Edanz Education Consultant


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