システマティックレビューには主に2つのタイプがあります。 定性的システマティックレビュー(時に英語で「meta-synthesis」と呼ばれる)と定量的システマティックレビュー(通常「meta-analysis:メタアナリシス」と呼ばれる)です。
「mixed-methods systematic review:混合研究法を用いたシステマティックレビュー」、つまり「システマティックレビューおよびメタアナリシス」 として、定性的および定量的の両方が含まれる場合があります。
下のそれぞれのタイプをクリックし、詳しく見てみよう
定性的システマティックレビュー は、数値ではない記述的な結果や、観察、文章や記録による結果を評価し、要約し、解釈します。観察研究のタイプには、インタビュー、アンケート、質問票、フォーカスグループ、日記の分析によるダイアリースタディー、ケーススタディ/レポートなどが含まれます。
対照的に、定量的システマティックレビュー、つまりメタアナリシスは、2つ以上の研究から得られた数値データを集積し、適切な統計学的手法を用いて統合したデータを解析します。研究タイプには、定量的ケーススタディ/レポート/シリーズ、観察による疫学調査(例: 横断研究、症例対照研究、後ろ向きまたは前向きコホート研究)や、臨床試験(非ランダム化比較試験、準ランダム化比較試験、ランダム化比較試験)のようなものが含まれます。
「mixed-methods systematic review:混合研究法を用いたシステマティックレビュー」、つまり「システマティックレビューおよびメタアナリシス」は、 最初に一般的な定性的な概要が置かれ、後ろにメタアナリシスの重要な定量的データのサブ解析が続きます。
システマティックレビューの幅広く異なる名称は、混乱を招く恐れがあります。名称の違いは、実際に行ったレビュー方法を記述するする上で、著者にとって重要となります。 それにより読者は自分が読んでいる文献のシステマティックレビューのタイプを判別します。
次は、4つのシステマティックレビュータイプです。それぞれのタイプをクリックして詳細と実際の例を見てみましょう。
一つは、診断精度研究レビューで、これには診断と介入から蓄積されたメタアナリシスのデータが含まれます (例:感度および特異度)。
ネットワーク・メタアナリシスは、ランダム化比較試験を対象として、3種類つ以上の治療を一緒に比較したメタアナリシスです。通常のメタアナリシスは、同じ組み合わせの処置や治療を直接比較します(例:A対B)。 一方、ネットワーク・メタアナリシスは、各研究が共通の対照を用いている場合、それぞれの治療法を間接的に比較する、間接的なエビデンスのを評価が可能です(例:A対BとB対Cの試験は、間接的にA対Cの治療の比較ができます)。
システマティックレビューをさらにシステマティックレビューしたものはアンブレラ・レビューと呼ばれます。アンブレラ・レビューは定性的または定量的、もしくはその両方で、同じリサーチクエスチョンに対して複数のシステマティックレビューがある場合、方針決定の際に有用です。
スコーピング・レビューと統合的文献レビューは、厳密にはシステマティックレビューではありません。なぜならレビューを行う上で全てのルールに則っていないからです。リサーチクエスチョンは、新たなトピックや将来的な研究の方向性を示唆するための包括的な概要を得ることを目的としているので、通常幅広く探索的なものになっています。含まれる研究は質が低い可能性があり、デザインのタイプもさまざまなものが含まれます。
スコーピング・レビューは、特定のトピックに関してエビデンスの量、タイプ、範囲、カギとなる内容を特定し、そのトピックに関する文献がどのように確立されてきたかを調査します。
統合的文献レビューは、理論的な側面を含む一般的な問題に対する複数の考え方(主に社会科学)を調査し、総体的なテーマを見出します。