バイアスと利益相反

バイアスのリスク(PROSPERO 27番目)

バイアスには、次の内容が含まれます。

  • 出版バイアス(Publication bias):著者と編集者は、従来ポジティブな結果や新規(確証的なものや複製ではなく独自のもの)の結果を発表することに目を向けてきたため、完了した研究の中には、投稿されず葬られているものがあります。
  • 結果が分かった後に仮説を立てる(Hypothesizing after the results are known):もし、研究クエスチョンとプロトコルが事前に策定されていなければ、ポジティブな結果が得られてからデータに合致させてクエスチョンを設定しても、読者にわかりません。
  • p値ハッキングまたは漁船システム(p hacking or fishing trips/expeditions): 研究者は、ポジティブな結果を得るために、様々な統計検定や、データの比較を試みたい誘惑にかられるかもしれません。しかし、解析方法はレビュープロトコルで事前に定義しなければなりません。
  • チェリー ピッキングとデータ改ざん(Cherry-picking and data manipulation):研究者は、ポジティブな結果のみを報告したり(cherry-picking)、 外れ値のような否定的あるいは予想外の結果から外したり、外れ値を説明なしに解析から除外するかもしれません(データ操作)。データの省略や削除は、非倫理的でデータの偽造として見られます。

透明性を高め、バイアスを取り除くには

重要なことは、透明性が高いことと、バイアスを取り除くことであり、それにより示されたエビデンスと結論が有効で信頼できるものとなります。


利益相反(PROSPERO 13番目)

研究の信頼性を高めるには、研究者は、PROSPEROプロトコルの項目の13番で求められているように、可能性があるすべての利益相反(利益競合)を申告しなければなりません。研究のどの部分について出資者が役割を担ったか、レビューの出資元も項目の12番で求められているように、申告します。

利益相反は、金銭的または金銭的に無関係の事項でも、研究結果にバイアスとなりうる、もしくは他の人がバイアスとして認識してしまうものです。例えば、金銭的事項としてなは、給与を受け取っていたり、レビューのスポンサーから顧問料を受け取っていたり、主な研究がレビューに含まれていたり、レビューに関わる会社や一次研究の会社の株を所有しているなどです。金銭的利益相反は、直接的(著者のもの)または間接的(子供や家族に対するもの)があります。

非金銭的利益相反の例には、スポンサーに対して無料の顧問役を打診したり、含まれる一次研究の著者に対するアカデミックな競合であったり、一次研究の著者と同じ部門で働いているなどがあります。利益相反を最小化するためのステップとして、レビュー検索や研究選択、すべてのデータへのアクセスを共著者に承認してもらい、すべての計算および編集を確認してもらいます。

すべての利益相反は、論文を査読付きジャーナルに投稿する際に申告されるべきで、ほとんどのジャーナルは申告を公表します。

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